木彫分館:木華美名を残す
木彫分館:木華美名を残す
Wood Sculpture Gallery-Perennial Wood Blossoms
102 展示ホール
木彫造像は、中国文化の芸術史の中で、その影響は深遠にして、時間がたつほどに新しさを感じさせます。仏教の木彫造像は、更に中国民族のふくよかな文化の蓄積の中で、手工芸と十方世界の信願を結びつける世界レベルの文化の宝蔵です。
中台世界博物館木彫分館は、皆様の為に、唐代から現代に至る木彫仏教造像を展示致しております。ここで皆様はそれぞれ趣を有する仏菩薩尊像の中で、唐の太平の世をはじめ、宋の謙虚さ・遼金の華やかさ、元の大らかさ、明清の芳しさを味わい知る事ができるでしょう!
仏教木彫造像を静観していると、あたかも中国の千古の長江の間を逍遥し、その一輪は琢磨・修持・信仰・心願の明月のようです。木華は曹渓の道を直指し、庭先のコノテガシワが後世まで芳名を伝えています。是非皆様に中台世界博物館木彫分館にご来館頂き、その美名を後世に残す諸仏の遺徳と敬虔なる心願に出会えることを願っております。

菩薩坐像
遼
916-1125 C.E.
木造彩色 もくぞうさいしき
110 cm
木彫分館 102 木華美名を残す
916-1125 C.E.
木造彩色 もくぞうさいしき
110 cm
木彫分館 102 木華美名を残す
遼時代の契丹族は中国の北部を拠点として、国を建てました。唐代末から五代まで戦争の中で、契丹の仏教は中国の影響を受けながら、独特の文化を創造しました。美術的に前の唐代の遺風を受け継いで、後の金代に影響を与えました。全体的に、遼代の仏教美術は唐代と宋代の伝統な特徴と草原民族のたくましく豪放な個性を融合しました。 高く円満な髻、宝冠は失われてしまいました。丸くなめらかな顔、眉と眉が離れているのが典型的な唐代と宋代の特徴です。耳の後からお下げを垂らして、肩にケープを着て、当時の胡人の衣装を着けています。さらに、胸の前に瓔珞をかけて、条帛は左の肩から斜めに上半身をまといます。二の腕とウエストに紐をまとって、馬に乗っているように風で袖が舞い上がっています。お腹がやや露出して、裙の裾の襞は疎密に表現されます。このような衣装と細部の表現は唐代と宋代の仏教様式と違って、遼代様式の独特さを感じさせます。

観音菩薩坐像
金
1115-1233 C.E.
木造彩色 もくぞうさいしき
126 cm
木彫分館 102 木華美名を残す
1115-1233 C.E.
木造彩色 もくぞうさいしき
126 cm
木彫分館 102 木華美名を残す
金王朝は遼代を滅ぼして、金時代の仏教美術は力強く、さらに優雅さを感じさせます。同じ時期の南方の宋と比べて、北と南の違う造像様式を示します。 菩薩は男性の姿を表して、半跏趺坐、髪の毛が高く束ねて、装飾が華やかな羽根の宝冠を被って、宝冠の真ん中に小さい化仏が飾られます。吊り上がる眉尻、切れ長の目、ふくよかで四角張った頬、口髭が生えて、首の後ろから両肩にお下げが垂れます。絡み合った条帛は肩から体の両側と二の腕に垂らして、二の腕に臂釧を着けます。裸になった上半身はやや長く、厚い胸の前に瓔珞をつけます。さらに、左の肩から右腰の側に斜めに垂らしている条帛は胸の前できれいに結んで、左側の太ももに垂らします。下半身(かはんしん)の裙の襞は繊細に刻されて、柔らかく自然に感じさせます。本像は金代の仏教美術で遼代と宋代の文化を受け継いで、遼代と宋代の文化の深い精神を表して、独特の気質を生み出します。現存の金代の仏教美術の中で重要な典型的の一つです。
