千載豊碑-碑像と仏教拓本

千載豊碑-碑像と仏教拓本

Millennia in Stone - Buddhist Steles and Rubbings
101D 展示ホール

石碑は永遠に不朽という特質から、古代中国において経典や人の徳行、偉業などが刻まれてきました。一方、インドでは彫像に供養者の姿と名を刻む伝統がありました。仏教が中国に伝わると、仏法を宣揚し人々を教化するため、仏教の造像と伝統の碑が結び付いた新たな造像形式が生まれました。こうした碑像はおよそ五世紀の頃に登場しました。

「千載豊碑」では歴代の仏教の拓本と碑像を展示しています。仏教の拓本には高僧の品行や道義、仏教が繁栄を極めたかつての情景などが記され、一方の碑像には中国各地における仏法の教義と芸術スタイルの発展が反映されています。

文字と形の間に、千年にわたる仏法の弘法と盛衰を垣間見ることができるでしょう。

王俟尼等造立仏碑像
西魏
551 C.E.
頁岩
192.9 cm
101D 千載豊碑-碑像と仏教拓本
北朝時代の特色を存分に備えた碑像。碑体の四面に彫刻が施され、正面の碑首には二匹の龍が絡み合い、上方の仏龕には交脚の菩薩像、主龕には方形の台座に結跏趺坐した仏が仮の姿で説法をしている。傍らには弟子、菩薩、供養菩薩の六尊がおり、仏龕下方では象が宝輦を担ぎ、地神が博山炉を掲げている。象の口から吐き出された蓮花は上へ向かって繁茂し、両側に獅子と供養比丘が見られる。左右に立つ護法神は西域異民族のような姿をしており、中国と西洋の文化・芸術の融合が見て取れる。
張武拓等造立仏碑像

632 C.E.
石灰岩
143 cm
101D 千載豊碑-碑像と仏教拓本
本碑像は貞観六年の唐代初期に造立されたもので、北魏の遺風を留めている。上下に龕があり、碑首には仏塔を頂いた福獣面を配し、仏塔の傍らに化仏が彫られ、左右の飛天は手に流蘇を持ち、二匹の龍が舞っている。しかし、北朝の作品に見られた威厳的な風格はない。上龕に半跏趺坐した弥勒菩薩、主龕に仏五尊象が彫られている。下方には唐代初期の典型的な楷書体で銘文が刻まれ、文字は整然として美しく、力強さの中に英気がみなぎり、唐初における仏碑の代表作である。
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