翔龍嘉蓮-青州様式の造像
翔龍嘉蓮-青州様式の造像
Soaring Dragon with Auspicious Lotuses - Qingzhou Style Sculpture
201C 展示ホール
その昔、青州は『禹貢』が示した九州の一つで、今日の山東省の北部に位置し、泰山の東から渤海までの地域を指しました。青州の仏教造像は緻密かつ華やかな装飾が特徴であり、立体彫刻、浮彫、線刻などの技法を融合させ、主に一光三尊像(背屏式)と単体像の二種類の仏像が作られていました。やがて造像の組み合わせ、造形、装飾などの特徴が形成され「青州様式」と呼ばれるようになったのです。
本展示ホールでは北魏晩期~北斉時代(520-577)における青州様式の造像を展示し、青州様式の初期から成熟するまでの変化をご紹介しています。荘厳で落ち着いた青州の古仏や瓔珞を身に付けた菩薩像など、静の中に動を秘めたその趣はまさに造像芸術の模範です。

比丘 満造釈迦牟尼仏像
東魏
540 C.E.
石灰岩
168 cm
201C 翔龍嘉蓮-青州様式の造像
540 C.E.
石灰岩
168 cm
201C 翔龍嘉蓮-青州様式の造像
主尊は螺髻を結い、清楚な面立ちにうっすらと笑みを浮かべている。着衣は褒衣博帯式。袈裟の下に僧祇支という下着を身に付け、帯を前方中央で結んでいる。手は施無畏印と与願印を結び、裸足で蓮台に立っている。二尊の脇侍菩薩は頭上に宝冠を頂き、冠繪を肩まで垂らし、帔帛を身に付けている。それぞれ蓮のつぼみ、浄瓶、桃形の鍵を手に持ち、瓔珞が腹の前でX字形に交差している。本三尊像は山東青州地域の造像スタイルをよく表しており、雄壮でありながら微に入り細を穿っている。
