宝相荘厳-歴代石彫造像
宝相荘厳-歴代石彫造像
Magnificence Embodied - Stone Sculpture Through the Ages
103C 展示ホール
仏教は前漢と後漢の頃に中国へ伝えられ、仏教芸術もまた教理を伴いながら、吸収、転化、新機軸の創造を経て、中国各時代の特色を備えた彫像を生み出していきました。
南北朝時代は他民族による統治、皇帝と民間の仏教への厚い信仰、格義仏教と玄学思想などの影響を受け、仏教の造像は多様で豊かな色彩を帯びていました。隋・唐時代になると、仏教芸術はインドのグプタ美術を融合した壮大な中国様式を確立します。宋・明以降は隋・唐・五代のこれまでの勢いを継承し、写実性の高い世俗的な特色や遼・金の遊牧民族の力強い風格、またはインドと中国の折衷スタイルなど、仏教が中国の大地に広まっていった時代の脈絡がうかがえます。
本展示ホールは南北朝時代から宋・遼・元・明の各時代の石彫を展示し、仏教が既に庶民の間に深く入り込み、中華文化の血脈となったことをご紹介します。

仏像
この坐像は、丸く豊かな顔を持ち、顔は見開き、まっすぐに見つめており、威厳と荘厳さを漂わせています。右肩がわずかに開いた袈裟をまとい、首には七つの宝石の首飾りが飾られています。左手は禅定印を結び、右腕は袈裟の上に垂らし、手首には唐草模様の腕輪を結び、地印を形成しています。この宝珠の首飾りと地印が特徴的なこの像は、現在、釈迦の悟りを古代インドで描いたものとされています。 『大唐西域記』によれば、この像はもともと古代インドのマガダ国に存在し、弥勒菩薩自らが彫った釈迦牟尼仏の肖像画と言われており、唐代初期の菩提樹瑞像によく見られる様式である。

菩薩立像
北斉
550-577 C.E.
漢白玉
212 cm
103C 宝相荘厳-歴代石彫造像
550-577 C.E.
漢白玉
212 cm
103C 宝相荘厳-歴代石彫造像
本立像は北斉時代の河北地域おける典型的な造像であり、頭上に宝珠をあしらった盾形の花冠を頂いている。巻いた前髪が垂直に垂れ、辮髪を両肩に掛けている。首飾りの瓔珞には宝珠が散りばめられ、首の後ろで留めている。彫刻は精巧であり、全体的に均整の取れた体躯である。浅い刻線の衣文線は密ながら整然とした印象であり、両腕は欠け落ち、体にわずかに本来の色彩が残っている。華麗な瓔珞をあしらった装飾は見事であり、北斉の大型立体彫像に見られる超絶な技芸と優雅で素朴な趣が存分に体現されている。
