銘記写真-古人、命の道のり
銘記写真-古人、命の道のり
Commemorative Inscription - Life Journey of the Ancients
102D 展示ホール
墓誌は死者の生涯の事蹟を記した碑石であり、主に墓に立てられます。上蓋と下部の二層からなり、上蓋に墓主の身分を示す標題を、下部に誌銘を彫ります。
墓「誌」は多く散文形式が採られ、死者の氏名、家柄、生涯の事蹟などを綴り、最後に没した年月と埋葬年月、埋葬地が記されます。一方、墓「銘」は韻文形式により死者への称揚と哀悼を表します。
墓誌には墓主の生涯の事蹟が記されているため、その時代の生死観と葬礼文化を知る手がかりとなります。家族史、地方誌、ひいては正史の不足を補うことができ、極めて貴重な歴史的価値を備えています。
本展示ホールは歴代の墓誌を展示しています。墓誌の解読を通じて古人の生涯を理解し、命について改めて考えさせてくれることでしょう。

元珽妻穆玉容墓誌
北魏
519 C.E.
紙本拓本
40 cm
102D 銘記写真-古人、生命の道のり
519 C.E.
紙本拓本
40 cm
102D 銘記写真-古人、生命の道のり
正式名称は「魏軽車将軍太尉中兵参軍元珽妻穆夫人墓誌銘」。一九二二年、河南洛陽南陳荘附近で出土した。于右任が収蔵していたものであり、鴛鴦七誌の一つ。元珽の妻、穆玉容は鮮卑族丘穆陵氏の貴族であり、北魏の勳臣八姓の一つ。魏碑の書法は漢末以来の初期の楷書を継承し、字形は斜勢を取り、転折は鋭く切れがある。本銘文はこれらの特徴に加え筆画が整然としているため、整っていながら変化に富んでおり、豪快な筆勢から穏やかな書風へと移り変わる転換期の書風であることがうかがえる。
