宝華供養-館蔵珍品

宝華供養-館蔵珍品

Jeweled Flower Hall - Offerings to the Buddhas and Bodhisattvas
304C 展示ホール

金銀、珠玉、奇石などをあしらった種々の器物は稀有で得難く、人々に珍宝とされてきました。達磨祖師曰く「諸宝の中に於いては宝法を上となす」。仏法を信じ教理を会得し、涅槃の境地に達することができれば、まさに稀有で得難きことです。

経典に云わく「諸福田の中に於いては仏の福田を最上となす」。珍宝により尽未来際に至るまで諸仏菩薩を供養することは、衆生のために幸せを祈る私たちの思いであり、法宝に依って修行することは、私たちのこの上ない累劫の供養です。衆生に道あれば、心宝即ち現れる。誰もが仏にまみえ、法を聞き、喜びの中に供養し、自性の宝華を開かせることができますように。

青花宝月瓶

1736-1795 C.E.
磁器
48 cm
304C 宝華供養-当博物館所蔵の珍品
宝月瓶、または「抱月瓶」と呼ばれ、このような形は明の永楽年間(1403-1424)に作り出されました。この形は乾隆帝に上品とされ、再び製作されました。長い首に小さい口、丸く平たい腹、輪状の高台、首と肩の間は二つの竜の形の両耳が付いています。高台の底には「大清乾隆年製」の篆書の落款があります。頚部に「海水江涯」の文様が施され、これは明と清の時代の皇室の日用品によく見られる文様で、「江山永固」(国土が永遠に堅固である)という特別の意味があります。瓶の全体にコウモリ、纏枝宝相華など官窯の典型的な文様が描かれ、腹の真ん中に突き出した部分に「寿」字が書かれています。製作技法は繊細で、釉薬の下の染付は重い筆で書き入れ、これは明代永宣青花の濃い褐色の点を真似して復古の効果を生み出します。よく整えた形、繊細な染付の描写、全体的はなめらかで静寂で、風雅な皇室の雰囲気が漂っています。
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