五髻文殊菩薩坐像

五髻文殊菩薩坐像



916-1125 C.E.

金メッキ きんめっき

22 cm

301C、302C 金剛実相-金銅仏造像
遼代は唐代からの華厳宗と密教の影響を受けて、密教の経典によると、胎蔵界曼荼羅に文殊菩薩は髻を五つ結う童子の姿で現して、五つの髻は五仏と五智如来を象徴します。当時、山西省五台山の文殊信仰が盛んで、華厳宗と密教に影響を与えました。本像は遼代晩期の顕教と密教の思想が融合したことを示します。円満な顔立ち、目鼻立ちが顔の中央に寄り気味に表現されて、秀麗で唐代の神韻が漂っています。条帛は肩に懸かって、耳輪をつけて、伏し目、平たい顔、これは契丹の特徴を表します。さらに、伸びた背筋、威厳に満ちた表情、首に緻密な瓔珞をつけて、肩に天衣を覆って二の腕に懸かって、胸の前で結びます。下半身は裙をつけて、上に遼代特有の曲がり蛇の文様が刻まれて、襞を立体的かつ綿密にたたんで、これは山西省の大同市の下華厳寺の遼代菩薩像と似ています。台座は受花、敷茄子、返花を積み重ねた蓮華座、花房が飾られて、肉厚で円満な蓮弁が自在に咲いて、先端が角張り、反り返って、生き生きしています。
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