中台世界博物館落成式リポート
中台世界博物館落成式リポート

今年は中台禅寺の開山二十五周年、落成十五周年及び中台世界博物館竣工の年となり、8月13日、14日に博物館落成式、護法総会と各精舎護法会授証式、夏安居報恩薬師円満法会・盂蘭盆供養法会を行うと共に、チャリティーイベント、文物寄贈、博物館交流座談会などの各イベントを併せて開催しました。催しには多くの来賓が参加し、二万人以上が中台二十五年来の弘法の成果を見守りました。
中台世界博物館落成式
中台禅寺の開山方丈――唯覚安公大和尚は、無尽の悲願により仏法五化運動の推進に生涯を捧げられ、中台の四衆の弟子を率い、霊泉寺の建立、中台禅寺の創建、普台小学・中学・高校の創立、及び国内外一〇八の精舎の設置を一歩ずつ果たして来られました。中台世界博物館の落成開館は文物により世を感化するという和尚の悲願を継承し、中台世界の多様な弘法を実現させています。
午前九時三十分、中台世界博物館の落成式に国内外二万人以上の信者が集まりました。中台禅寺の住職――見灯和尚は中国国家宗教局・蒋堅永副局長、中国仏教協会副会長・則悟大和尚、南投県・林明溱県長、及び各界の来賓と共にテープカットセレモニー参加。午後は中台世界博物館にて「博物館交流座談会」を開催し、中国と台湾の著名博物館の館長をはじめ、重要な学識専門家を招き、「博物館教育の推進」をテーマに熱い討論を繰り広げ、博物館教育の推進に具体的な方向を示しました。また、仏教芸術をより多くの方々に鑑賞していただくため、博物館は2016年8月15~9月14日まで入館料無料です。仏教の歴史的文物の美をぜひご堪能ください。
中台世界博物館の落成式に二万人以上が参加。
中台禅寺の住職―見灯大和尚及び中国国家宗教局・蒋堅永副局長、中国仏教協会副会長・則悟大和尚、南投県・林明溱県長がテープカットセレモニーに参加。
中国国家宗教局・蒋堅永副局長は、中台世界博物館の落成式で次のように挨拶されました。

中台世界博物館は惟覚和尚の「仏法芸術化」の理念を実現させたものであり、和尚と中台人の願いと知恵を凝集した、仏教文化と中華伝統文化を伝承、保護する重要な媒体であるとともに、人心を浄化し、社会を安定させる資糧です。雄大かつ厳かな仏教芸術の殿堂、そしてそこに展示された貴重な文物――印心の彫像から仏法を伝える経典、思想や道理を載せた文章に至るまで、どれも無限の清浄、清涼、清心を伝え、仏教の精神と文明の輝き、千年の知恵を載せています。今この瞬間、私たちは惟覚和尚を深く偲んでいます。和尚は徳望が高く、深い悲心を持たれていただけでなく、宗風を立て直された禅門の一代宗匠であられます。
落成式で挨拶する中国国家宗教局 ‧ 蒋堅永副局長
特に和尚は台湾・中国の両岸の同胞に寄り添い、両岸の福祉に関心を寄せ、両岸の友好と平和に力を尽くし、両岸の宗教文化の交流に多大な心血を注がれました。和尚は何度も郷里に戻り、地元の文化と教育の建設を支援されたほか、各地の古刹を訪れては数々の勝縁を結ばれました。そして和尚は大悲心を発して仏指舎利を台湾に迎えて奉祀し、大願力により世界仏教フォーラムを提唱・開催されたのです。見灯大和尚の下で、中台禅寺が惟覚和尚の悲心と悲願を継承し、引き続き両岸の友好交流を進め、優れた中華伝統文化の伝承と発揚のために、そして両岸人民の幸せのために更なる貢献をされることを期待しております。
落成式で挨拶する中国国家文物局博物館・社会文物司の張建新副司長


中国国家文物局博物館・社会文物司の張建新副司長は、中台世界博物館落成式の挨拶の中で、中台禅寺が貴重な文物を山西博物院に返還したことは、中台禅寺の志の高さと善行積徳の大いなる気概を余すことなく示すものであるとし、このような模範的な行為は台湾と中国の宗教、文化、文物の交流において非凡なる意義があり、その無量の功徳に衷心の感謝を表すると述べられました。
落成式で挨拶する 中国仏教協会副会長の則悟大和尚
中国仏教協会副会長の則悟大和尚は挨拶の中で、惟覚和尚は仏教の歴史の法脈を継承し、中華伝統文化の宝を守り、より多くの人々に奥深い仏教芸術の文化に触れてもらうため、このように立派で荘厳な中台世界博物館を建造され、「芸術で世を感化し、人心を浄化する」との本懐を成し遂げられたとし、これは中台両岸の仏教文化芸術界にとっても大変喜ばしいことであると述べられました。また、中台世界博物館の落成により、両岸の仏教文化芸術の交流における重要な窓口がまた一つ増えたとし、世界の人々にとっても精神と物質文明が一つとなった窓口となるだろうとしました。仏教文化芸術と中華民族の優れた伝統文化の粋を集めた博物館として、中台世界博物館は両岸の人々が憧憬する真善美の境地となり、無数の人々がここを訪れて仏法と縁を結び、三業を浄化するだろうと話されました。
落成式で挨拶する中華民国博物館学会理事長であり国立歴史博物館の張誉騰館長

中華民国博物館学会理事長であり国立歴史博物館の張誉騰館長は、台湾博物館界を代表し、中台世界博物館の落成式で祝辞を述べられるとともに、博物館の目的は人類の文化遺産を保存と展観することであるとし、惟覚和尚が中台山を開いた宗旨は上へ仏道を求め、下へ衆生を化し、博物館の創設は仏教文物に触れることを通して人々に信心が生まれることを期すものだと述べ、それこそが博物館教育の核心的な価値であるとしました。また、台湾における宗教は、中台世界博物館の出現によって新たな姿を呈するだろう述べられました。
その後、見灯大和尚と来賓が見守る中、唐代四方仏塔一基が山西博物院に寄贈されました。山西博物館の石金鳴院長は挨拶の中で、中台禅寺の今回の寄贈に深く感謝するとともに次のように述べられました。
人類の文化遺産を守ることは全人類の共同の責任です。この貴重な唐代の文物が返還されることは、2016年の海峡両岸文化遺産の保護における一大イベントであり、必ずや山西文物保護活動の歴史に記録されることでしょう。また、中台禅寺の此度の功徳無量の善行は、必ずや社会各界に文化遺産保護事業への取り組みを呼びかけるものとなり、中華の優れた伝統文化を発揚させることになるでしょう。

中台禅寺住職の見灯大和尚(右から四番目)、中国国家宗教局の蒋堅永副局長(右から五番目)等来賓が見守る中、唐代四方仏塔の山西博物院への寄贈セレモニーが行われた。
見灯大和尚は円満開示のときに次のように述べました。
仏法はインドにおいて発祥し、中国において根を下ろし、世界において発揚し、現代において興隆しています。古徳の言葉に「護法には三つあり、一つ目は仏寺を建立すること、二つ目は大教を弘めること、三つ目は僧侶を育てること」とあります。中台世界博物館は惟覚師匠の「芸術により世を感化し、大教を弘める」という悲願です。
落成式で挨拶する中台禅寺住職――見灯大和尚
同時に仏法を弘め、歴史を見守り、文物を守るという私たちの具体的な行動であり、中台禅寺の四衆の弟子が開山祖師――惟覚安公大和尚が我々を二十五年にわたって導いてくださったことへの感謝の気持ちを表したものでもあるのです。
